何のためにレジ袋を断る?プラスチックゴミの悪影響
2020年7月から、コンビニエンスストアでレジ袋の有料化が始ま理ました。
一袋3円、サイズによっては5円、払わなければいけなくなり多くの人が断ったり、
マイバッグを持ち運ぶ姿を街中でよく見かけるようになりました。
皆さんはお金のために断っていますか?それとも他に理由がありますか?
コンビニでのレジ袋有料化の背景
レジ袋有料化の背景には私たち人間にも影響を及ぼすほどの大きな問題があります。
環境省によると、世界では毎年少なくとも800万トンものプラスチックゴミが海に流出
している。これは東京スカイツリー222基に相当し、その内2〜6万トンが日本から
出ている。このプラスチックゴミは海洋生物に悪影響を与えてあり、それらを食べている
人間にも繋がってくる。世界各地では、かなり前からプラスチックごみ削減を目的とした
様々な政策や活動が存在します。例えば、アメリカ、カリフォルニア州では2016年から
レジ袋の配布を禁止にしたり、アウトドアブランドのPatagonia でも、買い物する際に、
レジ袋を有料化にして削減に貢献したりしています。EU では使い切りのプラスチックを
禁止しています。それでは、このプラスチックゴミは海洋生物にどのような影響を与えている
のか。
プラスチックの脅威
ほとんどのプラスチックは、生分解性ではありません。つまり、土など自然には帰ること
ができません。分解されずにマイクロプラスチックとなって、それを海洋生物が体内に
取り込んでしまいます。光分解と呼ばれるプロセスを通して、日光に当たったビニール袋
は、いくつもの小さな紙吹雪くらいのサイズに砕かれます。
海洋生物はこうした破片を誤って飲み込んでしまいますが、プラスチック
は消化されません。そのため、海洋生物は飢餓や栄養不良、脱水症状に陥り、最終的に
は死んでしまいます。研究者によると、少なくとも5兆個の破片が、今現在、海に漂っ
ているそうです。これらの破片を全て合わせると、重さ25万トン以上にナルト言われ
ています。実際のところ、海鳥100 万羽と海洋生物10 万匹が毎年、海のプラスチッ
クが原因で死亡しています。それよりも酷いのは、プラスチックごみによる、「死の循
環」です。その動物が死んだ後も続くということです。飲み込んだビニール袋の破片よ
りも、動物の体の方がずっと早く腐敗するためです。動物の死体が腐敗して分解し終わ
ると、動物の体の中にあったプラスチックが環境に戻され、また別の生物が不幸にも誤っ
て食べてしまうのです。
悪影響を受けた生物が食卓に?
プラスチックは、分解していく過程で有毒かもしれない化学物質を放出したり吸収した
りします。それが最終的に、私たちの食卓に上る可能性もあります。プラスチックを、
スポンジだと想像してみてください。プラスチックそのものに含まれている有毒な化学
物質を海に放出するだけでなく、他の危険な汚染物質もすぐに吸収し、私たちの体が備
えるホルモンの正常な機能に支障を与えることになる可能性があります。海洋生物がマ
イクロプラスチックを取り込み、こうした有毒な化学物質が、食物連鎖を通じて私たち
人間の体に入ってくるかもしれないのです。また、プラスチックの製造には、世界の石
油資源の最大6%を使用します。ほとんどのプラスチックは、石油や天然ガス、石炭な
ど再生不可能な資源から作られる素材であるポリプロピレンからできています。こうし
た素材を取り出し製造する過程で温室効果ガスが生まれ、それが地球温暖化をさらに進
める一因となります。
危ないのはレジ袋だけではない
これまで述べてきた通り、プラスチックには、現代の私たち人間には欠かせないぐら
い必要とされている資源のうちの一つである反面、海鳥や海洋生物だけでなく人間にも
悪影響を及ぼす可能性があります。一見人間にとって好都合のように見えることは、実
は色々な過程を経て、不都合になるケースが多いです。自然を汚すということは、私
たち人間を自ら苦しめているのです。
レジ袋が有料化となり、一人当たりのプラスチックゴミの消費量は少なからず減っている
と思います。しかし、その背景には重大な問題を抱えており、またそれを知ることでより環境
に良い消費活動ができると思います。
ここ最近では、いくつかのカフェが紙ストローの使用を推奨していたり、日本社会でも
プラスチックに対する見方が少しづつ変わってきているように思います。これもまた
プラスチックゴミ削減のための運動の1つです。地球への優しさは、我々人間への優しさで
もあります。これを機に、地球に少しでも優しいライフスタイルが浸透すればいいなと思います。
画像 Michaklootwijk / Getty Images
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