町のコミュニティを作り、カルチャーを生み出す1人の女性
小さな町の大きなコミュニティー
どんな場所にも、そこから生まれるカルチャーがあり、それらを形成するコミュニティ
がある。そして、そのコミュニティの中で新たな出会いがあり、新たなカルチャーが生まれ
る。その連鎖が人々の暮らしを豊かにしていく。
そんな状況を目の当たりにしたのが、アメリカはイリノイ州にあるデカルブという小さな
町のダウンタウンにある”Fargo Skateboarding”というショップだ。
プリズンブレイクを何回も見たという人は、イリノイ州と聞いてピンときたのではないだ
ろうか?
そう、大都市シカゴがある州だ。そのシカゴからバスで1時間半ほど離れた所に”Fargo
Skateboarding”を構えるのはNIU(地元の大学)出身のアリエルさんだ。
スケートボードをこよなく愛する彼女にとって必要だったのは、スケーターたちが練習す
る場所であり、そこで形成されるコミュニティだった。
2007年にオープンした店は、8年後、数ブロック先にあった映画館「ファーゴシアター」
を、ショップ兼インドアスケートパークとしてリニューアルオープンさせた。
店のドアを開けると、一見普通のスケートショップのように見えた。
しかし、奥につながる通路をすり抜けると、地元のスケーターがたくさんいた。
映画館を自分たちの手で改装し、スケートパークへと変身させたファーゴは、スケートボ
ードのレッスンやフィルミング(映像制作)のクラス、コンテストなども開催し、
地元のスケートカルチャーに大きく寄与してきた。地元の子供達やスケーターにとっての
新たなコミュニティへとなった。
コミュニティが作り上げるローカルカルチャー
そんなコミュニティーがあれば、新たな出会いも生まれる。
「そのスニーカーこの辺では見たことなけど、超クールだね」
なんて話しかけられるのは、ここでは当たり前。天気について、話すよりも気分が上がる。
さらに話していくと、ここではローカルのバンドなどによる音楽ライブや、クリエイターに
とっての作品の発表の場となるアートショーなども開催されているという。
どのぐらいの規模なのだろうかと考えながら、年一回開催されるアートショーに顔を出し
てみたのだが、想像以上の人の多さだった。
アリエルさん率いるファーゴは、コミュニティを作り上げてローカルに寄与し続けること
で、町の多くの人から信頼を得ていた。
アートショーでは、様々なクリエイターが作った作品(ジャンルレス)を発表、販売し、
クリエイター同士で交流を深め、新たな出会いとコラボレーションが生まれていた。
コミュニティがカルチャーを作り出す瞬間がそこにあったのだ。
人を大事にする
新たなカルチャーを生み出す小さな町のコミュニティを形成していったファーゴだが、
オーナーであるアリエルさんの人柄が素敵な場所を作っているのではないかと感じるのは、
彼女と話していればすぐわかる。
彼女にとって大事なのはコミュニティであり、人。
アートショーで展示されるクリエイターは選んだりせず、全て受け入れる。3歳の女の子が
書いた絵なども飾られていた。
そんな彼女の器の広さがローカルに愛されるコミュニティ、場所を作り上げているのだろう。
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